自分は絶対ひっかからない?
僕が大学を卒業したばかりの話。アメリカの有名な大学を首席で卒業し、就職まで1ヶ月。最後の「夏休み」を思い切り楽しむため、当時の彼女と車でアメリカを横断することにした。
「身長2メートルのプレーリードッグ」など、不思議なものをたくさん発見し、最後の行き先は「大人のディズニーランド」ラスベガス。ギャンブルで有名だが、僕らは演劇部だったのでブロードウェイを安く見る目的だった。
3,950室の部屋を誇る最大級ホテル「ベラージオ」の噴水は、夕焼け時が特に綺麗。スマホ以前の時代だから、デジカメで彼女の写真を撮っていた。
当時のデジカメは高く、バイト代を一年くらい貯金して買ったもの。
「ここで一緒に撮れたら最高なのにな〜」と思った途端に、僕らとあまり年格好が変わらない、リュック背負いの男性に声をかけられた。
「二人は、お似合いのカップルだね!俺にもステキな彼女がいたらなぁ。まさに天国だろうなぁ!そうだ!俺は、カルマを信じてるから、二人のために何か良いことをしたい!そうしたらいつか良いことが自分にも戻ってくるはずだよね?だから写真撮らせてよ。」
そして彼は微笑んで「大事に扱うからカメラを貸して」というように両手を優しく差し出した。
たしかに一瞬、何か変だなと思った。でもやはり2人の写真が撮りたい。だから彼にカメラを渡し、噴水を背景に彼女にハグしたその瞬間…「カメラマン」が逃げた。
僕も足はそんなに遅くないが、観光客が多くて、逃げ道に慣れた彼をすぐ見失った。
一年頑張って手に入れたカメラを失うのは惜しいだが、また買えば良い。問題は中身の写真。
旅の思い出が詰まった写真すべてが、カメラのメモリーカードにあった。カメラを盗んでも良いから、メモリーカードだけは返してくれ…叶うはずもない祈りをした。
このように、詐欺に遭うと必ず、物理的な痛手と精神的な痛手を破る。 そして、僕の例からも分かるように、大体は精神的な痛手の方が大きい。
大学を卒業したばかりで、僕は調子にのっていた。頭の良い自分が、まさか詐欺になんて引っかかるはずがないと思っていた。
要は、自分は騙されないと信じ込んでいたからこそ、騙されて詐欺に引っかかってしまった。
あなたは恋愛詐欺に引っかかりやすい?
誰でも恋愛詐欺に遭う可能性があります。 刑事ですら、恋愛詐欺に騙されることがあります。
しかし、人はそれぞれリスクレベルが違います。つまり、誰でも引っかかる可能性があるとしても、「引っかかりやすい人」と「引っかかりにくい人」がいます。
どんな人が引っかかりやすいか?みてみましょう。
自分に当てはまる項目はありましたか?
複数が当てはまるのなら、遠距離関係は用心深く進むべきです。
研究で分かったリスク
2013年のアメリカ政府の研究によると、国際恋愛詐欺の被害者の多くは、2年以内に辛い思いをした人が多いそうです。
ソース: 詐欺の現状をまとめる記事 (英語)
ここで「辛い思い」は「大事なものを失った」を意味します。たとえば、
- パートナーを失った(離婚・別居・死)
- 仕事を失った
などです。
心の隙間は詐欺師にとって絶好の狙い目。弱くなっている時、慰めてくれる人が欲しい…ここで詐欺師の出番です。
また、英国で行われた研究によると、詐欺に引っかかりやすい人の特徴は下記のような人です。
- 自分の性格を「romantic」(ロマンチック)や「risk taker」(挑戦者)と表現する人
- 運命や宿命を信じる人
- 過去にDVや他の虐待を受けた人
ソース: AARP(全米退職者協会)の記事(英語)
DV: ドメスティックバイオレンス・精神的、物理的な暴力を振る行為
DVを経験した人がなぜ詐欺に引っかかりやすいか?心理学者がこう説明しています。虐待される人は、自分を守るために、つらい現実を否定する。しかし、時に、つらさを否定するだけでなく、現実まで否定する時がある。そうすると、現実が見えなくなってしまうリスクがあります。
また、 虐待する人との関係を保つために、自ら相手に都合のいい言い訳を作り出したり、痛い思い出をど忘れしたりします。ソース: 詐欺の現状をまとめる記事(英語)
つまり、自分が被害者の役に慣れてしまい、被害者の役を自然に振る舞う…詐欺師に引っかかるのが容易に想像できます。
まとめ 誰が詐欺に引っかかる
誰でも詐欺に引っかかるリスクがあります。
研究によると、詐欺に引っかかりやすい人は、このような人です。
- 最近、大事なものを失った人
- 運命を信じる人
- 虐待を受けた経験のある人
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エド先生のプロフィール
- 2冊の著者
- 恋愛や学習のコーチ
- ボキャブラリーの長期記憶を研究中