詐欺師の根本的な問題
詐欺師の目的はたった一つ、あなたのお金を盗むこと。
しかし、詐欺師からすると、根本的な問題がある。
あなたと違う国にいる。
泥棒のように、日本の銀行に忍び込み、こっそり盗むことはできません。
海外から銀行をハッキングすることもできません。
では、詐欺師はどうやってあなたの銀行にあるお金を手に入れるのか?
あなたを騙して、あなたが自ら詐欺師に送金するように説得するしかないのです。
詐欺師は例外扱いされたい
ターゲットに送金させるために、詐欺師にはハリウッド並みの演技力が欠かせません。普通、会ったことのない人には、多額を振り込みはしないからです。その相手が海外にいる時は、なおさらです。
特別な事情じゃない限り、絶対に送金しない。
「特別な事情じゃない限り。」
だから、詐欺師はあなたにとって「例外」になることで、「特別な事情」を作るのです。
詐欺師が「一生に一度の愛」の設定にする理由もここにあります。
そして「外国人は日本人と違う」と思っている人々は、最初から相手を「例外」にしてしまっています。これが危険!
外国人も日本人も同じ人間
外国人とあまり接したことがない人は、外国人の恋人(の候補)に甘い傾向があります。
私たちは文化が違うから、私のことを日本の基準で判断するのは不公平!
「外国人を例外扱いすべき」という考え方に納得すると、詐欺師に隙間を与えてしまいます。
もちろん、外国と日本の文化のは存在します。しかし、国籍によって人との付き合う条件を変えるのはおかしいことです。
男女関係において、どんな相手でも、自分の基準を守るべきです。「外国人だから例外として考える」は詐欺のもとです。
日本人の劣等感も関係している!?
少しだけ心理学と政治の話をします。
「劣等感」という言葉をご存知ですか?
劣等感: 心理学用語。簡単に説明すると、「自分が周りに比べて愚か」と思ってしまうことです。英語では「inferiority complex」という。(この「complex」は「複雑」の意味ではなく、「コンプレックス持ち」の「コンプレックス」の意味です。)
優越感: 「劣等感」の反対語。「自分が周りより優秀」と思うことです。英語では「superiority complex」という。
人はそれぞれ違うから、一概には言えませんが、傾向として、明治維新に「脱亜入欧」という言葉があったように、日本人は他のアジア人に対して優越感があり、欧米人に対して劣等感があると言われています。
そのせいか、日本人の国際恋愛においても、劣等感が課題の一つです。
劣等感の危険性
なんで劣等感は危険なのですか?
劣等感を抱くと、相手が自分より優れていると考えてしまうので、相手が悪いことをしても、自分のせいにする可能性があります。
具体例をみてみましょう。劣等感のある女性が、好きな男性と2年ほど付き合っていた話です。
彼女の劣等感は、自分がデブだと思い込んでいたことです。
身長 | 体重 | |
---|---|---|
彼女 | 170 cm | 70 kg |
彼 | 185 cm | 75 kg |
二人とも会社員でしたが、同棲することになり、彼女は家事はもちろん、彼の弁当まで作ってあげていました。
でも、家賃・生活費・誕生日以外のデートはすべて割り勘でした。
自分よりレベル高い男と付き合っているから、しょうがない。頑張らなければ!
彼女はこのように、自分のお尻を鞭で叩いて頑張りました。
しかし、いくら頑張っても報われない…ある日、彼女は彼が浮気している確実な証拠を見つけてしまいました。
浮気されていることに気づいた彼女は、どのような気持ち?
劣等感のある彼女は、彼を責めずに、すべてを自分のせいにしました。
私がもっと魅力的な女性だったら、彼も浮気しなかったのに!
客観的には、明らかに彼女が被害者だが、彼女自身は、自分が加害者だと思い込んでいたのです。彼女は、デブの自分が嫌いので、「嫌いな自分と付き合う人はみんな、被害者」という固定概念に縛られています。
相手がした悪いことを自分のせいにする人。詐欺師にとっては、理想の標的です。
この例から分かるように、劣等感を持つと、騙されやすくなってしまいます。
外国人好きも劣等感!?
「外国人好き」も場合によって、劣等感の罠に陥ります。国際恋愛詐欺にありがちな危険です。
たとえば、アメリカ人と話す時、英語ができないから自分が何か足りていないと思ったことはありませんか?
多くの日本人は、「英語を勉強したのに、うまくない」と自分を攻撃しています。
これぞ、劣等感!
まず、英語があまりできないのは、良い意味で当たり前のことです。中学校や高校で勉強したからと言って、そもそもそれだけでうまくなるはずがありません。
高校生の時に化学の勉強をしただけで、科学者として仕事できますか?もちろん、圧倒的に勉強の量が足りません。
外国語も同じです。外国語が上手になるまで、数千時間の勉強が必要です。その勉強をせずに、ちょっと勉強しただけで「できない」と自分を攻撃するのが劣等感なのです。
単一言語の国同士は劣等感不要
日本語が話せるアメリカ人の数は、パーセントとして、どのぐらいだと思いますか?
答えは、下記の表のとおりです。
言語 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
総合人口 | 290,000,000人 | 100% |
英語だけ | 230,000,000人 | 80% |
日本語できる | 250,000人 | 0.001% |
ソース: アメリカ国勢調査局(2013年)(英語)
ご覧のとおり、日本語を話せるアメリカ人が非常に珍しいのです。
ちなみに、お金持ちの定義はさまざまですが、アメリカで純粋金1億円以上の人数は、18,600,000人です。ソース: Business Insider(2017年)(英語)
雑な計算で、アメリカでは、日本語ができることは、純粋金1億円以上を持つことより、74倍珍しいことになります。
日本人は、ほぼ例外なく日本語が喋れます。
でもハワイを含めてアメリカでは、日本語ができることはお金持ちより珍しいことです。
アメリカは単一言語の国で、日本語だけでなく、外国語を話せること自体が珍しいのです。
アメリカ人の中で、外国語で日常会話できるのは4人に一人だけです。ソース: Gallup調査(英語)
どの外国語がアメリカで話されているのか?
言語 | 割合 |
---|---|
スペイン語 | 55% |
フランス語 | 17% |
ドイツ語 | 10% |
ソース: Gallup調査、2001年(英語)
これは劣等感の話と何の関係があるのですか?
日本はアメリカと同じ単一言語の国です。多くの日本人は、日本語しか話せません。
つまり、アメリカでも、日本でも、外国語を喋れる人は、それだけで優秀です。
二人がいるとします。
英語しか喋れないアメリカ人。
日本語も英語も喋れる日本人。
外国語が話せるということで、日本人の方が優秀です!
それなのに、多くの日本人は英語が喋れても、アメリカ人に対して劣等感を持ちます。残念なことです。
劣等感を乗り越えるための本
「自分の中の劣等感をなんとかしたい!もっと自信を持ちたい!」と思われている方にオススメの本があります。嫌われる勇気というものです。
今までにつらいことがたくさんあったとしても、誰でも意識次第で強くなれます。『嫌われる勇気』には、日本人向きに強くなるヒントがたくさん書かれています。
まとめ 外国人好きと劣等感
- 詐欺師は、海外にいるため、あなたのお金を手に入れるため、あなたを騙し、あなたが自ら詐欺師に送金させるよう仕向けます。
- 普通、会ったことのない人には、多額のお金を振り込めないので、詐欺師は「例外」になろうとします。
- 「外国人は日本人と違う」と思っている人々は、最初から相手を「例外」にしてしまっています。
- 外国人も日本人も同じ人間です。人と付き合う条件を国籍で変えるのはおかしいことです。
- 「劣等感」とは、「自分が周りに比べて愚か」だと思ってしまうことです。
- 劣等感があると、相手が悪いことをしても、自分のせいにしてしまうので、騙されやすくなってしまいます。
- 「英語ができない」と劣等感を抱いている日本人はたくさんいます。
- アメリカも日本も単一言語の国です。だから、外国語を日常会話レベルに喋る時点で、優秀と言えます。
- 自分の劣等感を乗り越えたいなら、『嫌われる勇気』という本がオススメです。
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エド先生のプロフィール
- 2冊の著者
- 恋愛や学習のコーチ
- ボキャブラリーの長期記憶を研究中