詐欺師のプロフィールを見分ける方法

詐欺師のプロフィールの定番設定

ここでは、詐欺師のプロフィールを見分ける方法を紹介します。

詐欺師のほとんどは、決まったパターンで自己紹介を書きます。これらのパターンを知っておくと、プロフィールを読むだけで詐欺に気づくことができます。

そこで、基本的な詐欺プロフィールのパターンを、実例を挙げながら紹介します。このウェブサイトのすべての例は、僕が運営したウェブサイトで詐欺師が実際に使った文です。(一部編集しています。)

「内容チェック」と「英語チェック」

ミリタリー詐欺を見分けるためには二つの確認方法があります。

  • 内容チェック
  • 英語チェック

一つずつ定義します。

内容チェック: 話の内容がミリタリー詐欺の定番設定かどうかの確認です。

ミリタリー詐欺の定番設定

  • 配偶者を亡くした
  • シングルファザー
  • 自分が正直で信頼できる人だと過大アピール
  • 戦場にいる(アフガニスタン、イラク、イエメン、シリアなど)

これらの設定の多くはミリタリー詐欺に騙されない最低限の知識にて詳しく説明しました。 ここでは実例を挙げて紹介します。

そして、もう一つの詐欺を見分ける方法は英語チェックです。

英語チェック: プロフィールの内容で説明したで説明したピジン英語で書かれているかどうかの確認です。また、相手が自分はアメリカ人だと言っている場合、アメリカンイングリッシュで書いているかどうかを確認することも重要です。

アフリカはブリティッシュイングリッシュが主流

アフリカでは、アメリカンFLAG-USAイングリッシュよりブリティッシュFLAG-UKイングリッシュが一般的です。しかし、アメリカの兵士の数が英国の兵士の数よりかなり多いため、ミリタリー詐欺師のほとんどはアメリカ人を装います。

見分けられるようになると、それだけで詐欺に気づくこともあります。アメリカFLAG-USAの兵士はブリティッシュFLAG-UKイングリッシュで話すことはないからです

米国対英国
兵士数
米国 アメリカの旗2,870,000人
英国 英国の旗153,000人

ソース: 米国の兵士→アメリカ国防総省英国の兵士→ "英国議会

ご覧のとおり、アメリカの兵士の数は英国の18.5倍です。

確かにアメリカンFLAG-USAイングリッシュとブリティッシュFLAG-UKイングリッシュを見分けることは英語が母国語でない人にとって相当難しいです。しかし、この見分けにより自分を守ることもできるので、自分の英語能力に自信がないなら、気になるメッセージをもらった時、英語が母国語の友達に相談してください。

内容チェックと英語チェックは、どちらか一つだけでは、詐欺を見逃してしまうかもしれないので、可能な限り、同時進行で確認しましょう。

では、実際に詐欺に使われた文で、内容チェックと英語チェックをしてみます。

ミリタリー詐欺の定番プロフィール

まず、詐欺師の簡単な自己紹介を読んでみましょう。読みながら、違和感のある箇所をリストアップしてみてください。

I am US military, I am an optimistic person who loves living happily and want to share it with a woman who is loving , caring, tolerant, romantic and honest. I like outdoors, traveling cultural events watching movies, going to cinema.

このプロフィールは詐欺と断言できますか?詐欺師のパターンに慣れれば、これは間違いなく詐欺と言い切れるようになります。

では、まず英語をチェックしましょう。

英語チェックの問題点

  • 自分が組織になっている
  • 単語の使い方が違う
  • 不自然な英語
  • コンマの使い方がいい加減
  • 表現のミックスアップ

自分が組織になっている

NG

I am US military

和訳: 「私は米軍隊そのものです。」笑える誤りです。

OK

I am in the US military.

和訳: 「米軍に入っています。」

単語の使い方が違う

好きな女性のタイプが「tolerant」と書いてありますが、アメリカでは「tolerant」はこのようには使われません。辞書を引くと「寛容」の意味ですが、たとえば「教師が生徒の間違いに対して」の「寛容」という時に使います。詐欺師はおそらく辞書を引いて、辞書の定義によるとこの言葉が正しいと判断しました。よって、あなたも辞書だけで詐欺師の文を判断すると、詐欺師に騙される可能性があります。遠距離国際恋愛には英語のスキルが不可欠です!

アメリカでは、「tolerant」ではなく、「いろいろなアイディアに対してオープン」「すぐ決めつけない」女性のタイプを「open-minded」といいます。

不自然な英語

NG

I like outdoors

不自然です。正しい言い方は、

OK

I like being outdoors.

和訳: 「私はアウトドア系です。」

もしくは

OK

I like the outdoors.

和訳: 「私は自然が好きです。」

のどちらかです。

コンマの使い方がいい加減

NG

I like outdoors, traveling cultural events watching movies, going to cinema.

OK

I like outdoors, traveling, cultural events, watching movies, and going to cinema.

和訳: 「アウトドア、旅行、文化的な行事、映画鑑賞と映画館に行くのが好き。」

多くの詐欺師は句読点の使い方が荒いです。もちろん、詐欺師じゃなくても句読点のミスをする人はいるので、コンマの使い方が間違っているだけで確実に詐欺と言い切れるわけではありません。

詐欺かどうかの判断基準は、「アメリカ人がするようなコンマのミスかどうか」です。

ネイティブスピーカーのコンマミスは、このようなものがあります。

  • コンマを使いすぎ(不要なところに入れる)
  • コンマをまったく使わない

しかし、ここは最初も最後もコンマがあり、真ん中にコンマがない。使いすぎでもなく、まったく使っていないわけでもない。

このような「コンマの使い方がいい加減」は詐欺によくあるので、注意しましょう。

表現のミックスアップ

NG

going to cinema

OK

going to the cinema

和訳: 「映画館に行く」

細かい点ですが、冠詞の「the」が抜けています。そして、それより気になるのは「cinema」の使い方です。

アメリカでは、「映画館」は「cinema」より「movies」が一般的です。「Cinema」は英国の言い方ですから、アメリカで使うと、きどっているように聞こえます。(日本語でも、横文字を多く使うと、きどっているように聞こえるのと同じように。)

そして、「映画館」を「cinema」というならば、「映画」は「film」というはずです。アメリカでは一般人は「映画」のことを「movies」と言いますが、映画業界の人や海外の人の間では「film」が多く使われます。

しかし、この詐欺師は「going to cinema」のあとに「watching movies」と書いていたので、アメリカと英国の英語が混ざっています。このような混じり方は詐欺の可能性が高いです。

この例からわかるように、多くの詐欺のヒントは細かいこと。気になることがあったら、英語圏の友達に相談することをおすすめします。

内容チェックの問題点

  • 前向きな人募集中
  • 長く曖昧な内容は詐欺

前向きな人募集中

詐欺師の多くは、自分が「positive」(前向き)だとアピールします。理由は、前向きな相手、もしくは前向きでいたいと思っている相手が理想の標的だからです。

なぜ前向きな人が理想の標的かというと、前向きな人は、ちょっとしたトラブルが発生してしまった時に、相手を深く疑わずに積極的に解決に取り組もうとするからです。それが、詐欺師が作った罠のトラブルだとしても!泣いている顔

詐欺師は前向きな人を引き寄せるようにプロフィールを工夫します。前向きな人は、テンションが上がるから同じように前向きな人と一緒にいたい。そして、「前向きじゃないが前向きでいたい」人も、前向きな人と一緒にいれば、その人のおかげで「自分もさらに前向きになれるかも」と期待してしまうでしょう。

長く曖昧な内容は詐欺

このプロフィールは多くの女性に好感を持たれるように書かれています。

たとえば、

詐欺師

I am an optimistic person who loves living happily

直訳:「私は前向きでハッピーで居られることが好き」

…注意せずに読むと良さそうに聞こえるかもしれませんが、よく読むと当たり前のことしか書いていません。誰だってハッピーな生活が好きなはずです。

詐欺師のプロフィールは、良さそうなことをたくさん曖昧に書くことが多いです。

前にも触れましたが、長文は真剣さをアピールします。真剣な人は安心するから、詐欺師は真剣だと思われるように長いプロフィールを書きます。

しかし、長いプロフィールを具体的に書くと、プロフィールを読む相手が何か気に入らない箇所に引っかかり、そのまま次のプロフィールに飛んでしまうかもしれません。そうすると詐欺師は人を騙すチャンスを失ってしまう。そうならないために、詐欺師はなるべく曖昧に書きます。

曖昧に書くにはもう一つの理由があります。出会い系アプリなどで使われるプロフィールは、そもそも理想の相手を自分に引き寄せるためにあります。詐欺師にとっての理想の相手は「騙されやすい人」です。では、騙されやすい人は具体的にどのような人ですか?

曖昧な事情でもオッケーな人は騙されやすいです。詐欺師をすぐに信用せず、軍隊のことをしっかり確認する人は、騙されにくい人です。だから、詐欺師はプロフィールを曖昧に書き、曖昧なことを怪しむ人はスルーしていきます。これは、詐欺師にとって、手間が省ける書き方です。なぜなら、曖昧な事情に違和感を覚える人は、最初から詐欺師を相手にしないからです。

曖昧なプロフィールを作り、「曖昧な状況でも良い」と思っている人から連絡をもらい…これが詐欺の始まりなのです。

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エド先生のプロフィール

Edward Johnson
  • 2冊の著者
  • 恋愛や学習のコーチ
  • ボキャブラリーの長期記憶を研究中